花粉症の患者数は全国で推定2,000万人、日本人の6人に1人がつらい症状に悩まされているといわれています。食生活や生活環境の変化にともなって患者数は年々増加しています。 原因となる花粉は、春先に飛ぶスギ花粉が最も多く、全体の約 80%を占めています。その他にヒノキ、マツ、ブナ、カバノキ、イネ、ヨモギ、ブタクサ等々数十種類もあります。
スギやヒノキなどの花粉が原因となって、目のかゆみや充血、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどのアレルギー症状を起こす病気で、アレルギー性結膜炎・アレルギー性鼻炎ともいいます。花粉が目や鼻の粘膜に付着してアレルギー症状があらわれます。毎年、花粉が舞う季節にくり返し症状がでます。 体内に細菌やウイルスなどの異物が侵入してくると体は排除や退治をしようとして、抗体を作り出します。花粉が体内に入るとlgeという抗体が作られます。植物の花粉は体に害はありませんが、lge抗体が花粉を異物と判断して過剰反応し目のかゆみ・くしゃみ・鼻水などの症状がでます。
目の激しいかゆみや涙がとまらなくなったり、くしゃみ、鼻水がでます。ひどいと鼻づまりで夜も眠れません。激しいかゆみで目を強くこすって結膜や角膜に炎症を引き起こすこともあります。また、頭がぼーっとして集中力がなくなり、頭痛を感じることもあります。熱は微熱程度で、風邪やインフルエンザと違い高熱はでません。
昭和20年代から30年代にかけて、戦後復興のため国策でスギの植林事業が盛んに行われました。スギは30〜40年で正木になります。その植林されたスギが正木になり花粉を大量に飛散するようになりました。
食生活の欧米化で、タンパク質や脂肪の多い肉を食べる機会が多くなったことや、食品添加物の摂取で体が酸化状態になりアレルギーを引きおこしやすくなっているといわれています。
サッシなどの普及で高気密住宅が多くなり、エアコンなどの空調機器によって一定の温度に保たれようになりましたが、その結果換気が悪くなりダニやカビ、ハウスダストなどのアレルギー疾患が増える原因になっています。このようなアレルギーの方は花粉症を併発する可能性が高いといわれています。
土の中に吸収されるはずの花粉が、アスファルトで道路が舗装されたことで車が往来するたびに空気中をさまよい、再飛散するようになりました。
ストレスを受けたり不規則な生活をしていると自律神経の調整やバランスが乱れ、免疫のバランスも悪くなり花粉症の症状を引きおこしやすくなります。また、睡眠不足や疲労が蓄積されていると、免疫力が低下して症状が悪化することがあります。
外出するときは、目や鼻の粘膜に花粉が付着しないようにすること、外出から帰ってきたら室内に花粉が入らないように注意する。 できるだけ、花粉を遠ざけるような対策をしましょう。
当院ではより高度な検査、手術が必要な患者様に対しては
九州病院
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産業医科大学病院
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